三池のあらさまへ捧げますー

西浦ーぜが寮生活だったらみたいな妄想からできたどうしようもない
アベミハですがこんなんでよかったら…どうぞ…
獄ツナ＋ハマイズたのしみです。wktk！！


アベミハですが栄口多め。何故か。
阿部が三橋と、栄口が水谷と出会ってなかったら二人が付き合ってた
みたいなんでお願いします。二人とも恋愛感情は無いのです。
うん…親子みたいな…？多分（えー
まあいいや。ではどうぞ。
三池のあらさまのみお持ち帰りおｋですー


タイトルがエヴァなのはキニシナイ方向で。
リプトンのピーチティー好きだなーとか言わないで下さい！！ほら…男子が飲んでるのかわいくないですか…？萌え。
アベミハはがんばってもアベミハになりません。何故だ！！

伝わらないのがもどかしいんじゃない。
温度差がいじらしいんじゃない。



　　　　　　　　　　　　　　　せめて、人間らしく




「だからこれくらい覚えてくれてねェと打ち合わせが空しいって何度…」
怒鳴りかけて、はた、と気付く。
まただ。またやってしまった。
「…ごめん」
「ぅ、あ、こ、こここっちこそ、その、…ごめ…なさい…っ」
オドオドと謝る三橋に、ハア、とため息。
『俺は阿部君の構えるトコに投げるだけだから。』そのセリフを覚えては
いても、実際こうだとこっちのイライラも収まらない。
なんなんだろうか。俺ばっかり上手くいかないのっておかしくないか？
「今日はもう上がろう。三橋もハラ減ったろ」
「う、うんっ！」
ふひっ、と満面の笑顔。…しまった。ちょっとクラっときた。
こんな幸せそうな笑顔されてしまったら複雑すぎるんだけど、とりあえず
言い咎めないでおく。この笑顔、崩したくない。
「阿部ー、三橋ー、終わったー？」
トンボを片付け終わった栄口が笑顔でパタパタと近付いてくる。おう、と
返事をして立ち上がった。三橋も送れて立ち上がる。
「四人一緒に戻ろっか～」
「何でクソレなんかと一緒に…」
「ひどっ！！」
がびーん、とまるで漫画みたいに落ち込んでみせる水谷。
俺は栄口と楽しそうに話す三橋を見て、ため息をついた。




ねえ。何が足りない？
ねえ。俺とオマエの間には何があるというんだ。




プルタブに指をひっかけると、栄口が楽しそうな声色で話しかけてきた。
「阿部、何か悩み事ー？」
「わかってて聞くな」
「…へえー。やっぱり三橋のことでまた悩んでるんだ」
ぐさり。あまりにも的確に図星をつかれため息。栄口はニコニコと笑った
ままでリプトンのピーチティーを飲み続けている。再びため息。
ひっかけた指をそのまま引くと、ぷしゅ、と炭酸特有の音がした。
「交換したげよっか？」
「いらねー」
そのままごくごくと飲み干す。大嫌いな喉の痛みも今は気にしない。たま
には飲みたくなる日だってあるさ。うん、ただそれだけ。

「…炭酸嫌いなくせにね」
「うっせ」

ただ、それだけ。






ドアノブに手をかけそのままぐるっと回す。扉の向こうの俺と三橋の部屋
で、俺のルームメイトはすやすやと早くも寝息をたてていた。
時計を見遣る。九時。
「いくらなんでも早いだろ…」
ドアの隙間に身体を滑り込ませて、再びドアを閉じる。音を立てないよう
細心の注意を払いつつ、三橋を起こさないように足音も控えめにしつつ。
安心しきった無防備な表情で三橋が寝ている。
「…腹出して寝んなよなぁ…」
ぶつぶつ言いながら三橋が蹴り飛ばした毛布をそのままかけ直す。ふと、
栄口の言葉を思い出した。
きっと全部わかってる。それでもあえて栄口はそれを口にはしない。ただ
ただなんの感情も込めない、その目で見つめているだけ。
『何が、阿部にブレーキをかけるの？』
三橋の頬にそっと手を添える。やらかく、あたたかい。
『阿部が手を差し伸べれば、三橋がその手を取ってくれるかもよ？』



そんなわけない。
だけど、せめて。



「……三橋…好きだよ」




叶わないのなら始まらないでくれればよかった、なんて、絶対に思わない














fin.