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平成19年7月2日設置。



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この世界の少し前に、紡がれていた物語を少しだけ読んであげよう。








「カナデー!!おかえりーっv」


がっばあと抱きついてくるそれは自分の恋人。頭を軽く撫でてやると、子
猫のようにみぃみぃと鳴いた。
右手に持っていたコンビニ袋を渡してやる。中身は総てお菓子。

「いちお頼まれてたの全部あると思う」
「うわーい、カナデありがとー!」
「どーいたしまして」

にっこりと笑う。
『禮世』は、無邪気にくるくると廻ってご機嫌な様子を示した。





「あ、奏枇。御帰り」
「ただいまー。メシできてる?」
「うん。今日は和食」

よっしゃーとか言いながら、禮世と二人して床にぺたりと座る。
ほかほかのご飯と味噌汁がとてつもなく美味しそうだ。

「食っていい?」
「えと、今日はちょっとまって。黒崎が来るんだ」
「えー、アイツ今日も来んの!?」

やだーと禮世が騒ぐ。
雨竜が苦笑しながらそれでも楽しそうだった。




まだあの世界が始まる少し前。
禮世は『禮世』でした。
奏枇は『奏枇』でした。
ふたりは、ふたりを信じていたのです。

それは0.5、氷点下の物語。
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「ねえシャコウ。君はあれで良かったと思っているんでしょう?なら、僕
はそれに何も言わない。君が満足していて何も不満がないのなら。でも、
そうじゃないんでしょう?なら行動を起こすべきだよ。シャコウ」


そんなことわかってる!わかってる!わかってる!
幾ら繰り返したって終わらない悪夢の中で叫び声をあげながら。



「そんなことわかってる」それなら何故口に出せない。
「満足していて不満も無い」そんなわけないじゃないか。
「じゃあ行動を起こしてみせる」何をすれば報われる!?


駄目だ。
とろり、頭の中がほどけてゆく。
何も考えないでいいのなら……?



「シャコウ」

「シャコウ」

「…シャコウ…」






世界は俺なんかことごとく無視して走り去ってしまうというのに。



「俺は自分の判断であれを行ったんじゃない。それに満足も不満も、そん
なのないだろう?なのにお前はそんな事を言う。そんな事をつらつらと、
俺の前で述べ立ててそれでお前は満足かよ?めんどくせえ奴。俺はいいか
げんもう、お前にはうんざりしてんだよ」



世界は俺なんか相手にはしないのに。
お前は…
わたしは、ここにいてはいけない。




「それでも私は、あの子の気持ちに応えたいって思った」




それは我侭でしょうか?神様。
教えてください。わたしの罪悪を。


輪廻がまわる。


「あなたの処罰が検討されている」

初めてそれをわたしに告げたのは、他ならぬエディデアだった。
髪を撫でて少し目を伏せる。

「私という個体はあなたに処罰を加える事に違和感を覚える」

するり。撫でるように言葉が繋がって行く。

「だけど、あの人はそれを気にしない。あなたには何らかのペナルティが
加えられる事が確定している」

頷くとエディデアが顔をそむけた。

「たとえあの子供が上まで乗り込んできたとしても」

ためらわれるような、沈黙。顔をあげたエディデアはもう決意していた。



「あの人はきっとためらいなく子供を惨殺する」



わたしは唇をぎゅっと噛んで、叫びだしたいのを必死に堪えた。
もうすぐ、なつがはじまる。


「こんにちはーっ、スイカもってきたよー!」



もうすぐ、なつがはじまる…



ぺたぺたと裸足に吸い付くフローリング。きゃあきゃあとはしゃぐ子供達
の声。高音が、せわしなく耳に響いていた。

「スイカ、沢山貰っちゃってさ。食べきれないから、お裾分けにね」
「それはありがたいわ、子供ってスイカとか好きだしね。喜んでる」
「へへ、いっつん達の笑顔を見るのは好きだからね」

切り分けたスイカを奪い合いつつ騒ぐ子供達。
それを眺めながら、のんびりと烏龍茶を啜っていた。

「ここら辺は蝉じゃなくて、ひぐらしだね。鳴き声が聞こえてる」
「ああ…そういえば、そうね。此処は蝉とか、少ないから」
「ふうん…ひぐらしの方が情緒があってそっちのほうが好きだけどね」
「あたしもそうかな。きっと慣れてるからなのね」
「うん、そうだね」

夏が始まって、輪廻がつづいて、ぼくたちはそれにとりのこされていく。
夏がおわって、秋になっても…ぼくたちはそれにはきっとおいつけない。

「夏だね」
「ええ、夏だわ」
「…もう麻痺しちゃった。季節とか曜日とか、そういうの」
「元々あたし達には関係なかったものね」
「……そう、だよね」

夏の始まり。


「結局、あたし達はいつも置いてけぼり喰らっちゃうだけなのよ」





夏が始まって、きみが変わる。
うちのフワライドに恋人さんが出来ました!!祝!!
というよりまだ口説き中ですがっ可愛い子をお嫁さんに貰えて光栄です!
……よかったなあヴィレッジ…(ほろり


がち☆すた聞いてたら本気であたまおかしくなるとおもうんだ。
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