平成19年7月2日設置。
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禮世をずーっとずーっと前から考案して決まらなさ加減にあきれたのでセレビィ→ジラーチにしてみたら案外すっきり妄想がまとまったんだぜというメモ
でもなあ・・・セレビィの気がするんだよなあ・・・キャラありきでつくるなよという話ですが
こんなことするから桐井は漫画家には向いてないんですよ。ですよ!
キャラもえの人ですからね!乱雑に扱うのむずかしい。
「どんな人なんですか」
本棚の向こう側から唯の声が聞こえた。ぼくは手に取っていた本を棚に戻し、すきまから表情を覗く。
愛宮唯はそうやって、時たま静かにぼくの心臓のあたりを抉るような問いかけをする。無意識的なのか意識的なのかはわからない。ただ唯はとても聡かったから、もしかしたらぼくが思い悩むような表情をしていることを気に病んでくれたのかもしれなかった。
本人には全く、自覚がないようだけれど。
そんなところが彼女そのままで、少し、笑える。
「会ったこと、ないのか?」
「ある、と、思います。でも」
記憶が無い。唯はそういって、俯いた。
「きみに似てるよ」
そういう表情をされると困る。何をどうやっても禮世を思い出す。娘に母親を投影するなんて、(いや、娘に恋人を投影するなんて、か)よくないことだとわかっているからこそぼくはそんな唯の表情が苦手だった。
今ならどんな要求も、禮世にするみたいに、受け入れてしまえそうだった。いや、嘘だけど。
「わたしに?」
「うん、わりと。表面上はデロみたいだけど、本質はきみっぽい」
「・・・、そうなんですか」
少し、唯の表情が緩んだ。嬉しがっているのだろう。
禮世は唯の母親だ。この言葉に間違いは無い。今まで自分に親族などいないと思い込んできた唯だからこそ、母親の存在は素直に喜べるものなんだろう。ちなみにぼくも一応、一応は、父親という肩書きで間違っていないのである。なんかくすぐったいし、似合わないけど。
「会いたいな、早く。・・・わたしの名前、呼んでくれるかな」
眠りにつく前の禮世を思い出した。唯の話をされたことはないけど(というかまともな会話してなかったけど)たぶん、禮世はそうとう唯を気に入って、甘やかすんだろうな。想像が容易すぎて頭痛い。着せ替え人形みたいに次から次へと服をとっかえひっかえ、いつも傍にくっついて離れず、唯の涙を何より嫌い、隅から隅まで手抜かり無く手を抜いて甘やかしそうだ。
あいつは、自分の子ども、欲しがってたからな。
自分にその能力が無いのを知った上で願い続けてたんだから、敬服に値する。
「大丈夫だよ」
自然と、笑みがこぼれた。笑うのなんて久し振りだ。
禮世が眠りについてからはじめてとか、そんなレベルの話で。
「あいつはずっと、唯みたいな子を欲しがってたんだ」
それは言うなれば、1000年の孤高の孤独。
禮世はただ欲しがっていた。自分の事を忘れないでいてくれる存在を。
「わたし」
本棚の隙間から、唯のすきとおった赤い瞳が見える。強い意志をたたえた気高い瞳なんか、あいつの生き写しだ。ぼくはそう思った。そしてそれを守ろうと思ったから、いまここで、唯の声を聞いている。
あいつが目覚めて、ぼくら二人を見たら。一体どう思うのだろう。
あの日に置き去りになっているぼくとの約束を、禮世は思い出してくれるだろうか。
「家族になりたい。あなたと、禮世と、三人で。ずっと、そう思ってた」
やわらかな微笑を抱きしめるように、唯は言う。
「早く、母さまに、会いたいな」
ぼくもだよ、唯。
ぼくも心からそう思う。
「叶うよ」
きみの願いはいずれ叶う。
ぼくが禮世に会いたいと思い、禮世がぼくを忘れない限り。
「父さま、ありがとう」
きみの願いは叶う。
でもなあ・・・セレビィの気がするんだよなあ・・・キャラありきでつくるなよという話ですが
こんなことするから桐井は漫画家には向いてないんですよ。ですよ!
キャラもえの人ですからね!乱雑に扱うのむずかしい。
「どんな人なんですか」
本棚の向こう側から唯の声が聞こえた。ぼくは手に取っていた本を棚に戻し、すきまから表情を覗く。
愛宮唯はそうやって、時たま静かにぼくの心臓のあたりを抉るような問いかけをする。無意識的なのか意識的なのかはわからない。ただ唯はとても聡かったから、もしかしたらぼくが思い悩むような表情をしていることを気に病んでくれたのかもしれなかった。
本人には全く、自覚がないようだけれど。
そんなところが彼女そのままで、少し、笑える。
「会ったこと、ないのか?」
「ある、と、思います。でも」
記憶が無い。唯はそういって、俯いた。
「きみに似てるよ」
そういう表情をされると困る。何をどうやっても禮世を思い出す。娘に母親を投影するなんて、(いや、娘に恋人を投影するなんて、か)よくないことだとわかっているからこそぼくはそんな唯の表情が苦手だった。
今ならどんな要求も、禮世にするみたいに、受け入れてしまえそうだった。いや、嘘だけど。
「わたしに?」
「うん、わりと。表面上はデロみたいだけど、本質はきみっぽい」
「・・・、そうなんですか」
少し、唯の表情が緩んだ。嬉しがっているのだろう。
禮世は唯の母親だ。この言葉に間違いは無い。今まで自分に親族などいないと思い込んできた唯だからこそ、母親の存在は素直に喜べるものなんだろう。ちなみにぼくも一応、一応は、父親という肩書きで間違っていないのである。なんかくすぐったいし、似合わないけど。
「会いたいな、早く。・・・わたしの名前、呼んでくれるかな」
眠りにつく前の禮世を思い出した。唯の話をされたことはないけど(というかまともな会話してなかったけど)たぶん、禮世はそうとう唯を気に入って、甘やかすんだろうな。想像が容易すぎて頭痛い。着せ替え人形みたいに次から次へと服をとっかえひっかえ、いつも傍にくっついて離れず、唯の涙を何より嫌い、隅から隅まで手抜かり無く手を抜いて甘やかしそうだ。
あいつは、自分の子ども、欲しがってたからな。
自分にその能力が無いのを知った上で願い続けてたんだから、敬服に値する。
「大丈夫だよ」
自然と、笑みがこぼれた。笑うのなんて久し振りだ。
禮世が眠りについてからはじめてとか、そんなレベルの話で。
「あいつはずっと、唯みたいな子を欲しがってたんだ」
それは言うなれば、1000年の孤高の孤独。
禮世はただ欲しがっていた。自分の事を忘れないでいてくれる存在を。
「わたし」
本棚の隙間から、唯のすきとおった赤い瞳が見える。強い意志をたたえた気高い瞳なんか、あいつの生き写しだ。ぼくはそう思った。そしてそれを守ろうと思ったから、いまここで、唯の声を聞いている。
あいつが目覚めて、ぼくら二人を見たら。一体どう思うのだろう。
あの日に置き去りになっているぼくとの約束を、禮世は思い出してくれるだろうか。
「家族になりたい。あなたと、禮世と、三人で。ずっと、そう思ってた」
やわらかな微笑を抱きしめるように、唯は言う。
「早く、母さまに、会いたいな」
ぼくもだよ、唯。
ぼくも心からそう思う。
「叶うよ」
きみの願いはいずれ叶う。
ぼくが禮世に会いたいと思い、禮世がぼくを忘れない限り。
「父さま、ありがとう」
きみの願いは叶う。
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