平成19年7月2日設置。

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「禮世に、会って来たよ」
彼の残留意識に許しを乞いに行った。
私は、何て、愚かなんだろう?
そうやって彼女は笑った。
あたしはただ目を伏せて、
「なん、で、」
「何で?そんなの貴方が一番知っているでしょう?・・・私だよ。全部私。ねえ、禮世は何て言ったと思う?もう、私、そんなこと言われるくらいなら罵って貰った方が良かった」
「だって・・・唯は」
「呼ばないで。もう唯じゃないんでしょう?私に名前は無いの。もう何も無いの。存在意義も価値も理由も何も無い、ただ其処に存在しているというだけ」
「・・・ゆ、」
「何度言ったら解るの?片割れ」
もう触るな、と、
そう言っているのだ。彼女は。
あたしは、
「今更もう、何も言わないけど。・・・私、貴方のこと嫌いじゃなかった」
唯。
違うの、違うの、どうかあたしの話を聞いて。
唯、
深い深い夢を見た。
何も考えず貴方とただ一緒に居る事のできる夢。
でもそれが夢だってあたしはとうに知っているんだよ。
ねえ唯。
貴方とただ一緒に、
「さよなら」
喩えるなら皮肉な福寿草。
涙も見せず貴方は私の前から消えて、
そして、
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